認知症高齢者のアセスメントの目的(4)

個別の課題やニーズを明らかにし、認知症高齢者と家族にとって最も重要なことに焦点をあてた具体的なケア計画をたてる

患者さんはもちろん、周囲にいる家族に対しても観察をもって配慮やケアをすることが必要です。

家族への配慮

介護者がたどる心理状態が、以下の4つです。家族と接するときには、彼らが今どの状態にあるのかを見極めることが大切です。

(1)戸惑い・ショック・否定
(2)混乱・悲哀・怒り・防衛
(3)自認・割り切り
(4)適応・受容

引用:加藤伸司・矢吹和之、改訂・施設スタッフと家族のための認知症の理解と家族支援方法、ワールドプランニング、2012.5

看護の焦点

・コミュニケーションへの意欲を低下させることなく、保持されているコミニュケーション能力を発揮し、可能な限り社会活動を継続できる
・BPSDを呈することなく、穏やかに生活できるBPSDが出現した(している)場合でも、短時間で軽快する
・自分なりの方法で、ADLを遂行できる(活動・休息・食事・排泄・身じたく)
・身体不調や新たな合併症の発生、持病の憎悪がなく、身体的に最良の健康状態を保持できる

山田律子・井出訓編:生活機能からみた老年看護過程+病態・生活機能関連図、医学書院、2009、P61~P65を引用し作成

ポイント!

(1)時間軸をもつこと(生活歴、経時的変化への注目)
(2)言葉と行為・行動の意味を深く掘り下げる
(3)チーム内で繰り返し話し合い、アセスメントを深め、ケアにつなげる

山田律子・井出訓編:生活機能からみた老年看護過程+病態・生活機能関連図、医学書院、2009、P61 一部改変

 

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