認定看護師 【がん性疼痛看護】

認定看護師 【お名前】 江戸 稚香子さん
【病院名】 独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター
【分野名】 がん性疼痛看護
 

認定看護師の資格をとろうと思った動機・きっかけ・取得時期

[認定看護師取得時期]2005年

[資格取得の動機・きっかけ] 消化器病棟への配置換えを機に、がん患者さんやそのご家族と頻繁に関わらせていただくようになりました。その中で疼痛がコントロールできない終末期の患者さんやそのご家族への関わり方に悩んだことが資格取得のきっかけです。
当時、緩和ケアという概念はまだ一般臨床には浸透しておらず、残念なことに医療者にすらがん末期の疼痛はコントロールできないという諦めがありました。緩和ケアについて専門的に学んだり相談する場が身近にはなく、加えて医療用麻薬に代表されるがん性疼痛緩和のための鎮痛剤の種類が限られていたことも医療者が限界設定をしてしまう原因になっていたと振り返ります。そうした環境下で終末期がん看護に携わるうちに「本当にこの痛みを緩和する方法はないのか?」という疑問や「たとえ病気の治癒が望めなくても尊厳をもって生きるために医療者としてできること、すべきことがあるのではないか」という思いが日増しに強くなっていきました。そこでがん患者さんの苦痛を専門的に学び、根拠に基づいた看護を実践することを目指してがん性疼痛看護認定看護師の教育課程を受講しました。

資格が実際の仕事に活かされていること

資格取得後、施設内で緩和ケアチームの立ち上げに参加し、現在はチームの専従看護師として他職種と協働しながらがん患者さんやそのご家族の苦痛緩和や療養支援に関わらせていただいております。またがん患者さんの診療、ケアに携わる医療職の方々を対象に緩和ケアや疼痛管理について教育活動を行っています。こうした活動の影響もあり、一般病床においても個々のニーズに応じた緩和ケアが提供できるようになってきたことはとても嬉しく、また頼もしいことだと日々感じています。

認定看護師を目指す方に伝えたいこと・
その他(教育機関に行くまでの家族や職場との調整など)

資格取得に関しては、自身の情熱や信念のみで成し遂げるのは難しく、周囲の支援や理解が不可欠です。また認定看護師を目指す際に忘れてならないのは、資格取得後に患者さんや所属施設あるいは地域などにどのように貢献していくかという点でしょう。道のりは平坦ではないかも知れませんが、専門性を活かして患者さんや医療スタッフの力になれることは必ず看護師としてのやりがいに繋がると思います。

認定看護師としての活動実績(セミナー、講師経験など)

・がんセミナー(院内がん診療部主催)
・緩和ケア研修会(がん診療連携拠点病院主催)
・専門的看護実践力研修がん性疼痛看護分野(石川県看護協会主催)
・NURSEによるコミュニケーションスキルトレーニング(院内主催、富山市民病院主催、地域緩和ケア研究会主催など)

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