【お名前】 清水 由賀さん
【病院名】 石川県立中央病院
【分野名】 乳がん看護
認定看護師の資格をとろうと思った動機・きっかけ・取得時期
乳がん看護認定看護師を目指す前の私は、「乳がんの患者さんは元気」という勝手なイメージがついていました。入院しても退院まであっという間で、患者さんと深く関わる機会を意識して持つ事は少なかったです。しかし、乳がん看護認定看護師が講演する研修に参加したときに、私の考えが間違っていることに気が付きました。乳がんに罹患される方は40~50歳代の女性が多く、多様な役割を果たしている年代です。その年代の方々が乳がんと告知を受け、治療選択をし、変化するボディイメージや役割遂行が困難になったりと、様々な悩みや不安を抱えています。短い期間の入院生活で私は乳がん患者さんの術後の回復していく様子を見ているだけでした。患者さんの思いや背景を十分に知ることが出来ていなかったんだという思いと共に、乳がん看護認定看護師が乳がん患者の発症から終末期にかけて、深く関われることに魅力を感じました。
研修以降、乳がん患者さんの思いを意図的に聞き、患者さんの思いに寄り添い、関わりを持つ中で、患者さんから感謝の言葉を頂いた時に、もっと患者さんを知り、看護できるようになりたいと思い、乳がん看護認定看護師を目指そうと思いました。私が乳がん看護認定看護師を目指そうと思った時は、ちょうど看護師5年目で、乳がん看護に携わって4年目でした。目指すなら今ではないかと思い、勉強を始めました。
資格が実際の仕事に活かされていること
看護は患者さんの思いを知り、行っていくものですが、認定看護師の教育課程で、さらに患者さんの背景や思いを知ることの重要性を学びました。病棟や外来で業務を行っていると、忙しさに追われ、患者さんの話をじっくりと聞くことが難しいことが多々あります。なかなか時間を作ることは難しいですが、スタッフの協力を得たり、スタッフと共に関わることを心がけています。患者さんや家族の思いを知ることで、その中で信頼関係が構築され、患者さんや家族が必要としている看護が明らかになります。
また患者さんに、困った時や悩んだ時に話して良い相手だと思って頂けるよう、関わらせて頂いています。資格を得て、患者さんから話してもらえることや、相談を受けることも多くなりました。患者さんにとって相談できる相手と思って頂けたり、不安や心配が強かった患者さんが安心して治療を受けられたり、退院されていく姿を見ると、資格を取って良かったと感じます。また、患者さんとの関わりに悩んだスタッフから相談を受け、スタッフと共に乳がん患者さんについて考えることができた時など、とてもやりがいを感じます。
認定看護師を目指す方に伝えたいこと・
その他(教育機関に行くまでの家族や職場との調整など)
「自分はなぜ認定看護師になりたいと思ったか。その思いを忘れずにしてね。」私自身、先輩の乳がん看護認定看護師からかけて頂いた言葉です。教育課程は、学ぶことが多く、学んでいくことが楽しかったです。しかし、辛いこともありました。もうこれ以上は頑張れないと思った時もありました。そんな時は教育課程の仲間と支えあい、職場のバックアップやスタッフのみんなに支えられ、そして認定看護師を目指した時の思いを振り返ることで、頑張ることができました。また、教育課程で出会った仲間は、かけがえのない仲間です。今でも連絡を取り合い、乳がん看護について相談したり、話し合ったりしています。
認定看護師としての活動実績(セミナー、講師経験など)
看護学校の講義や、院外研修講師や一般市民の皆さんへのセミナーを行っています。