認定看護師 【慢性呼吸器疾患看護】

尾嶋 由起さん 【お名前】 尾嶋 由起さん
【病院名】 独立行政法人国立病院機構 石川病院
【分野名】 慢性呼吸器疾患看護
 

認定看護師の資格をとろうと思った動機・きっかけ・取得時期

【動機】
当院には神経難病や重症心身障害者で呼吸ケアが必要な患者さんが多数います。神経難病の患者さんは、自ら人工呼吸器の装着を選択する場合や、呼吸困難の苦しさのあまり装着を承諾される場合もあります。しかし、人工呼吸器装着後の長い入院生活においては呼吸管理が必要で、呼吸リハビリなどを実施しないと肺炎を併発したり、無呼吸になった事例を経験することで、その重要性を痛感していました。
また、重症心身障害者病棟では医療の高度化による救命技術が進み、超重症児が増加傾向にあり、高度な呼吸管理が必要な小児を受け入れることが想定されています。現在も、胸郭の変形が強く体位ドレナージがとれない患者さんや中枢性の呼吸障害などの患者さんが多く、彼らがより良く生きるうえで呼吸を整えることは最も重要なケアの一つであります。このような呼吸管理が難しい症例が多い当院において、高い専門性をもってケアを行う必要性を日々強く感じていたため、慢性呼吸器疾患看護認定看護師を志願しました。

【きっかけ】
通学圏内である福井大学に認定看護師課程ができ、当院の認定看護師を育成するシステムが整ったこと

【取得時期】H27年7月

資格が実際の仕事に活かされていること

私が、認定看護師になって最初に取り組んだのは、院内のRST委員会の立ち上げでした。当院は、人工呼吸器を装着している患者や気管切開をしている患者さんが多いです。そこで、RST委員会では、このような患者さんの呼吸ケアを充実させるための検討やリスク管理、器機や物品などの選定を行っています。毎月RSTニュースを発行し、スタッフに呼吸ケアの情報発信も行っています。今後は、RST委員会で事例検討会や回診を行いたいと思っています。

認定看護師としての活動日には、入院患者の呼吸ケアに関するコンサルテーションに対し病棟を訪問しケアや対応策を提案したり、院内研修会や病棟での勉強会を行っています。特に、呼吸リハビリは多職種との連携が必要で、リハビリスタッフに対する吸引研修や事例検討などにも力をいれています。
また、当院では、地域のお住いの方々に出前講座を行っており、私は「たばこ!百害あって一利なし」「知っておきたい呼吸器の病気」「長寿の秘訣!口腔ケア」を担当しています。ここでも認定看護師として学んできたことを、わかりやすくお伝えできるように工夫しています。

認定看護師を目指す方に伝えたいこと・
その他(教育機関に行くまでの家族や職場との調整など)

私は、福井大学のキャリアアップセンターの認定看護師課程で学びました。全国から集まる同じ志を持つ仲間と出会えたのは、今の自分の強みになっています。認定看護師の試験も、仲間と励まし合いながら乗り越えることができました。現在も情報交換を行い、お互いを刺激し合うことで、頑張ろうという励みになっています。すばらしい仲間と出会えて、本当に学校に行ってよかったと思いました。
また、認定看護師として職場で活動しながら思うのは、今までは自分の経験だけで看護実践やスタッフ指導を行っていましたが、今では最新の情報やエビデンスを基に専門知識を駆使して実践を行えていると実感できるようになったことです。
病院には7カ月も仕事を休ませていただき、経済的にも支援をしていただきました。キャリアアップに関して理解ある上司に恵まれていたと思っています

認定看護師としての活動実績(セミナー、講師経験など)

・院内の呼吸リハビリテーション研修の担当
・院内の集合研修の講師
・地域への出前講座の講師

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