【お名前】 浅井 瑶子さん
【病院名】 独立行政法人国立病院機構 医王病院
【分野名】 摂食・嚥下障害看護
認定看護師の資格をとろうと思った動機・きっかけ・取得時期
看護学生の頃から患者さんの「口から食べる」ことについて考える機会がありました。そして、当院に就職してから、神経筋疾患・重症心身障害児者さんとの関わりの中で、疾患により食べる機能が低下し、口から食べることが困難になっていく患者さんを目のあたりにしてきました。私も食べることが大好きですが、患者さんが「これを食べたい」という思いを聞きつつも、何もできない自分がいました。そこで、患者さんの「食べたい」を支えるために、摂食嚥下障害看護認定看護師の資格を取得しようと思い、教育課程を経て2012年に認定看護師となりました。
資格が実際の仕事に活かされていること
摂食嚥下障害看護認定看護師となり、食べることが困難になった患者さんや食べる機能そのものが獲得困難な患児に対して、医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・栄養士など多職種がチームとなって摂食嚥下評価や必要時検査を行います。その結果を基に必要な訓練を検討し、食事内容・食事姿勢・食具の選択などをチームで総合的に関わり、食べる楽しみを支えていきたいと考えています。また、食事に一番関わっている看護師や患者さんのご家族からの悩みや困ったことなどを聞き、解決策を一緒に考えていけたらと思います。
認定看護師を目指す方に伝えたいこと・
その他(教育機関に行くまでの家族や職場との調整など)
私が認定看護師を目指す当時は、院内にはどの分野も認定看護師はいませんでしたが、上司からの推薦やサポートがあり、認定教育課程を受講することができるようになりました。教育課程の期間は約半年間で、分野によっても教育課程を受講できる機関が限られています。摂食嚥下障害看護分野では、愛知県・茨城県・広島県でのみ実施しています。よって、その間は病院不在になるのですが、快く送り出し・迎え入れてくれた病院スタッフのサポートがあったからこそ、認定看護師になれたのだと思います。
認定看護師教育課程では、北海道から沖縄県まで各地から認定看護師を目指すため集合し、苦楽を共にした「仲間」ができました。同じ志を持つ者同士、相談し情報共有しながらモチベーションを高めあっています。教育課程を修了しても、認定審査に合格しなければなりませんが、教育課程修了から認定審査まで期間があく場合があるので、病棟業務をこなしつつ勉強をしていくという試練もあります。なにより自分がこの分野に興味を持ち、日々自己研鑚し患者さんの「食べたい」を支えたいという強い意志が必要です。
認定看護師としての活動実績(セミナー、講師経験など)
・院内ではNST勉強会内で摂食・嚥下障害についての講義をしました。また、新人教育や療養専門員へのレクチャーを実施しました。
・院外では石川県内の看護職員や難病患者さんを在宅で看護・介護している方への講義を行いました。今年度は小児在宅に携わっている看護職員への講義もしました。看護学生さんには重症心身障害児者さんへの看護について摂食嚥下を踏まえて講義しました。