認定看護師 【感染管理】

横地 仁美さん 【お名前】 横地 仁美さん
【病院名】 市立輪島病院
【分野名】 感染管理
 

認定看護師の資格をとろうと思った動機・きっかけ・取得時期

私は大学病院勤務を経て、家庭の事情で当院に就職しました。感染管理認定看護師を目指した動機は、施設入所患者さんの抗菌薬投与後にMRSAやCDが検出された時、保菌状態であるにもかかわらず施設への受け入れが出来ず療養病棟で永眠されました。病院と施設間における感染防止対策の違いによるジレンマがありました。施設入所患者さんと施設職員の面会や会話時における患者さんの表情は自然と笑顔が見られ信頼関係が感じられます。感染防止対策の基本は施設、病院、家庭においても同じであり、施設の現状に合わせた感染防止対策の情報提供や退院調整を行うことで、その人らしい生活が送れるよう地域連携が必要と思いました。
また大学病院と地域病院間における院内感染防止対策の格差や時代遅れの現状を変えたいと思いました。感染管理組織の構築や医療関連感染サーベイランス導入の必要性を感じ、県内での認定看護師教育課程開校を機会とし2014年5月に受験を決意、2015年7月に資格取得が出来ました。

資格が実際の仕事に活かされていること

感染防止の対象者は、在宅から急性期病棟まで医療関連施設を利用する患者・家族・訪問者はもちろん、現場で働く全ての人を感染源から守ることです。感染管理看護師のスキルとしては、感染管理学、疫学と統計学、微生物・感染症学、医療管理学、医療関連サーベイランス、感染防止技術、職業感染管理、感染管理指導・相談、洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメントが挙げられます。自施設の状況を把握し、実情に合った感染管理プログラムを立案、実践、評価することが感染管理認定看護師の役割となります。

資格取得後に多剤耐性菌の発生がありました。初めての状況発生でしたが感染対策チームメンバーと共に原因調査や状況把握、データ収集と分析結果より感染防止対策について大学病院の先生(教育課程の講師)に相談を行いました。以降多剤耐性菌の発生報告はなく、認知症患者さんでしたがMSWとの調整により、家族同居の退院ができた時は本当に良かったと思いました。
また、診療報酬の加算においても病院経営と医療の質向上に大きく影響するため、医療関連感染サーベイランスを導入し感染管理活動を行っています。

認定看護師を目指す方に伝えたいこと・
その他(教育機関に行くまでの家族や職場との調整など)

私の場合、看護部長の推薦があり受験を志願しました。院内には皮膚排泄ケア認定看護師が1名いたので受験手続等について相談できました。入学試験の勉強方法については、石川県立看護大学の事前説明会への参加によるアドバイスを参考にお薦めテキストを購入し自己学習しました。またインターネットでの情報収集や近隣病院の認定看護師さんに相談しながら受験勉強を行いました。

石川県立看護大学附属看護キャリア支援センター感染管理認定看護師教育課程の1期生として7月に入校しました。入校までには履修期間中の連絡方法や給与、生活等において看護部長や事務部門に相談しておく必要があります。7ヶ月間の学生生活は講義やグループワーク、科目試験、臨地実習、演習など多忙でしたが、同じ目的を持った仲間達に支えられながら2月に卒業できました。資格取得目的だけでなく自分自身と向き合い看護観を見つめ直す貴重な時間を持つことができました。教育課程でご指導頂いた先生方、感染管理認定看護師の方、家族の支えや職場の協力態勢にはとても感謝しています。5月に日本看護協会の認定審査の筆記試験を受験しますが、勤務をしながら受験勉強するため体調管理や自己調整が大変でした。

自分は「何故目指すのか」「何を実践するのか」という目的意識を持続することが大切です。 現在は専任看護師ですが5年後の認定更新審査に向けて看護実践と自己研鑽に努めています。大変ですがやりがいはあります。感染症を取り巻く環境は日々変化しており、感染防止に関する正しい情報提供や対策方法について、病院だけでなく地域連携を通して能登北部における感染予防の活動に貢献していきたいと思います。

認定看護師としての活動実績(セミナー、講師経験など)

経験が浅いため実績は少ないです。院外講師依頼により、老人介護施設の職員研修を対象に「血液感染防止」の講義を行いました。

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