認知症高齢者のアセスメントの目的(1)

多面的、包括的に情報収集を行い、全人的に理解する

アセスメントは、まずその患者さんを理解することから始まります。そのために、さまざまな側面から多面的かつ包括的に情報を得る必要があります。

多面的、包括的に情報収集を行い、全人的に理解する
山田律子・井出訓編:生活機能からみた老年看護過程+病態・生活機能関連図、医学書院、2009、P61~P65を引用し作成

認知機能障害の評価スケール

認知症の機能障害の評価のための、代表的なツールをご紹介します。

認知機能障害の評価スケール

主な評価スケールの特徴

HDS-R
(9項目)
・総得点30点
・20点以下を認知症の疑い
【参考】
非認知症 24.27±3.91点
軽度 19.10±5.04
中等度 15.43±3.68
やや高度 10.73±5.40
非常に高度 4.04±2.62
・認知症のスクリーニングが主目的
・重症度別平均得点は示されているが、重症度分類は行われていない
・生年月日さえ確認できれば施行可能
・動作性検査なし
MMSE
(11項目)
・総得点30点
・23点以下を認知症の疑い
・認知症のスクリーニングとして国際的に最も広く用いられている
・重症度分類は行われない
・動作性検査あり
NM-スケール
(5項目)
・各項目を7段階に区分、10~0点で評価
・評価合計点
正常:50~48点
境界:47~43点
軽度認知症:42~31点
中等度認知症:30~17点
重度認知症:16~0点
・日常生活の実際的な精神機能を観察し評価する行動評価尺度
・認知症の評価や程度を知る
・N-ADL と合わせて評価すると、より日常生活面での実際的能力を総合的にとらえることが可能
FAST ・1~7段階のステージに区分
・ステージ6と7には、5段階と6段階のサブステージがある
・国際的な重症度評価表
・特にADの重症度を判定することを目的としている
・臨床的特徴が詳細に記述されている

 

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