認知症高齢者のアセスメントの目的(3)

認知症高齢者がもっている能力を明らかにし、その能力を発揮した生活が送れるように支援する

入院環境では、患者さんの持っている能力を発揮した生活を送ることが難しく、それを観察して発見し、能力を発揮できる機会をつくるのも、大切なことです。

患者さんの例

A氏 86歳 女性 認知症疑い

・大腿骨頸部骨折にて入院手術
・即時近時記憶障害あり
・場所見当識障害あり
・「あの・・・」「その・・・」言葉が出にくくなっていることに対し、「はがやしくなる」と話す
・手術後3日目、食欲なく活気なし

B氏 90歳代 女性 アルツハイマー型認知症

・FAST 7
・大腿骨頸部骨折
・入院時より、発語なし発声のみ
・もの静かな印象
・こちらの言う事は理解している
・ADLは全介助

 

これらの患者さんの特徴から、患者さん自身の能力を発見できたでしょうか?

1日1分でも、できるだけその患者さんのそばにいって、能力発揮の機会を作りましょう。患者さん自身の能力を生かした生活の継続は、そのことだけで、生きる意欲につながるのです。

 

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