認知症 vol.1 認知症とは

認知症の定義

 「脳の広範な器質的障害によって生ずる、持続的な認知機能の低下を主とする症候群であり、それが社会的あるいは日常生活を行っていくうえで、明らかに障害をきたすレベルにまで至ったものである」

認知症のすべて(2011):平井俊策・永井書店

 

認知症高齢者数の現状
左:厚生労働省・高齢者介護研究会「2015年の高齢者介護」2003年6月
右:「老年保健福祉計画策定に当たっての認知症高齢者の把握方法等について」:平成4年2月老計第29号、老健14号

認知症の病因

・血管性認知症…脳血管障害によって起こる認知症。
・変性性認知症…何らかの原因で神経細胞死が生じることによって発生する認知症。
※アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、等
・二次性認知症…二次的に発症する認知症。多くの場合は原因疾患を治療すれば認知症の症状は改善する可能性が高い。
※正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB1・B12欠乏脳腫瘍、等


認知症との鑑別

普通のもの忘れと認知症の物忘れとの比較

もの忘れと認知症

普通のもの忘れ 認知症のもの忘れ
体験の一部を忘れる 体験の全部を忘れる
進行しない 進行する
自覚している 自覚することが困難
生活に支障なし 生活に支障あり

 


せん妄と認知症との比較

項目 せん妄 認知症
基本発症 意識障害・注意力障害。幻覚や不穏を伴うことあり 記憶・認知障害
発症様式 急速(数日~数時間) ゆっくり(月~年)
症状の持続 数時間~数日 永続的
症状の動揺 多い・夜間に悪化 少ない
背後の身体疾患 多い 時にあり
薬剤の影響 多い 少ない

高齢者のせん妄の背後にある救急疾患に気をつけよう:岩田永,ExpertNurse,27(9),2011

 

うつ病と認知症との比較

項目 うつ病 認知症
基本症状 抑うつ症状、心気的症状 記憶、認知障害
記憶・認知障害 訴えるほどの低下はない あり
日内変動 午前中に悪い 変化に乏しい
生活 自立していることが多い 進行に伴い自立が困難
応答 否定的答え、「分からない」 作話、つじつまを合わせる

 

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