国民健康保険 小松市民病院

小松市民病院 太田さん 【お名前】 太田 裕子さん
【病院名】 国民健康保険 小松市民病院
【役職名】 看護部長・認定看護管理者
【これまでのご経験】
看護学校卒業→小松市民病院(内科・外科・外来・手術室・HCUなど)
※取材日…2020年2月

看護部長のお仕事について

業務の中で問題や課題については、副部長や師長に相談しながら進めています。当院のスタッフは平均年齢が高いので、相談する相手はたくさんいます。
本気と捉えればいいのか、冗談と捉えればいいのか、取り組み等について院長からは「看護部はやりすぎ」と言われたこともあります(笑)。ただ、うずうずするのです。他の病院で良い取り組みをしていたり、社会情勢の話を聞いたりすると、やらなくてはまずいんじゃないかと思うのです。そしてそれを皆に話したらやる、というように有言実行してしまうのです。「もう皆に言ったよね?それでは明日からやりましょう。」というように(笑)。しかし、そういうところがあるから反省もあるのです。石橋たたいて渡る、の正反対のタイプなのです。
この病院の風土だと思うのですが、看護師は真面目で、新しいことにも一緒に付き合ってくれます。陰で「疲れた…」と言っているかもしれないのですが(笑)、頑張ってくれています。そうやってへこたれずについてきてくれることが嬉しいですし、ベストメンバーだと思います。

業務で行っていることが沢山あるからか、スタッフからの返答も沢山くるので、それに対応していく毎日です。日々気づいたら夕方になっているので、私の一番悪いところはタイムマネジメントです。優先順位を決めて業務をしていますが、やはり看護師の気持ちは優先したいと思っています。

仕事のやりがいについて

先日、問題が発生した時に、関係する管理者と緊急で集まって話し合いました。管理者が共通の認識で問題に向かっていかないと、スタッフが不安になってしまうので、まず話し合って、頭の中を共通にしておこうよ、と。
そして、関係する師長・副師長が、問題に対して頑張ってくれたので、そろそろ現場を見に行かなくてはと考えていたところ、ちょうどそこの副師長が夜勤明けに私の元へ来てくれました。「部長見に来てください!今変わってきています。すごく前向きなのです。」と。その時はちょうどミーティングが始まる前だったので、どうしようと思ったのですが、やはり声を掛けてくれた今見に行かないと、と思って現場へ行きました。そして本当に一生懸命その課題に向けて頑張っている姿を見て、素敵だなと思い、「いいぞ!頑張れ!」と励まして帰ってきました。
看護師が自分たちで問題を解決していく姿は、生き生きとしています。一生懸命業務を改善することが患者さんに結びついていて、その副師長は夜勤明けで疲れているのに生き生きと話をしてくれました。その様子を見て、本人はやりがいに思ってくれているなと感じ、嬉しかったです。

昔は「働きやすい病院づくり」や「働きやすい組織にする」ということを目標にしていたのですが、今は「働きがいのある病院にする」ということを目標にしています。私にとって、看護師が嬉しそうに働いていたり、楽しく働いているのを見ると、私も働きがいを感じます。そして、患者さんからお褒めの言葉を貰っている看護師を見ると、すごく嬉しいです。やりがいを感じるのはそこですかね。

現在、患者さんの満足度を調べているのですが、その結果が嬉しくて嬉しくて。昔は苦情をいただくことも少なくなかったのですが、「看護師さんのおかげで…」「ドクターのおかげで…」というコメントや、「親身になってくれた」というようなご意見を患者さんからいただき、更にこの1、2年でそういう声が増えています。そこで、その統計をまとめて表彰できたら、看護師にとってまたいいきっかけ作りになるかなと考えています。
ちょうど今、「働きやすい」と「働きがい」との違いは何かを皆で考えています。「働きやすい」だと環境なので、環境を整えればいつかは達成されます。「働きがい」というのは、自分にとって大事な看護観や人生観に結びつくと思います。患者さんから褒められたり、他者から良かったねと言われたりすると、やる気がでます。やりがいを感じるのはそこだと思います。

看護師のキャリアプランについて

当院のスタッフは真面目で、患者さんに対して決めたことを一生懸命やり抜くところが強みです。しかし、私のようにこの病院一筋の人も多いので、世間の荒波を知らないというところが、気づかないうちにあるのかもしれません。そこで、より知識を深めるために、学会に行ったり、研修に参加したり、色々な病院の施設見学をスタッフにしてもらっています。まずは自分の目で見て確かめ、頑張っている人と知り合って、情報を得ることが大事かなと思います。私も部長になる前から、学会や施設見学に行かせてもらったことがすごく自分の役に立ったので、スタッフにも行かせたいなと考えています。

自治体病院でも個人病院でも、いい取り組みをされているところはたくさんあります。まず患者さんを尊重し、お金は後についてくる、という考えの管理者がいらっしゃるところは、継続して良くなっています。そういうところを見に行ってみたいと言ってきた人には、どんどん公文書を書くよと(笑)。そういう人は変革してくれると思うのです。変革好きなんです、私。今の時代は変革しかないと思っているので、新しい良いことは取り入れながら、昔からやってきていることは取捨選択し、もう一度ゼロから考えるということを、この病院に長くいるからこそ、考えていけるかなと思います。病院機能の変化や高齢社会など、いろいろな問題を抱える中で、患者さんにどうやって満足してもらい、生き残れる病院にするのかを、しっかり覚悟して考えていかないとだめだなと、部長になった時に思いました。他の病院や福祉施設ではどんどん趣向を変えて頑張っていらっしゃいます。この病院は小松市の自治体病院なので、地域住民の皆さんや他の医療・福祉施設から、何を求められているのかを考えていかなければいけません。

資格を取りたいという人には応援したり、予算からお金を出してあげたりということをしています。そういう方にはどんどん行ってきて!という感じです。
特定行為研修についてはこの病院で学べる区分や共通科目があるので、仕事をしながら近場で学べることは大事かなと思います。
また、認定看護師は現在17名います。メンバーは前向きで、地域貢献の一環として、小松市が行っている市政講座に登録させてもらったり、出前講座をしたりしています。粟津に診療所があり、最近診療が午前だけになったのですが、そこはピンチはチャンスです。午後から何かできないかと話があったので、まずは認定看護師から自分の特技を生かして、診療所で市民の皆さんに還元したらどうかと提案しました。今は月曜と木曜に正味1時間ですが、畳の部屋でゆっくりお話できるような機会を設けています。その内容は講座だったり、よろず相談を受けたりするものです。

今後、粟津でやっているその取り組みを、当院の待ち時間対策として取り入れられないかと考えています。院内に場所を確保して、看護師それぞれの特技を生かし、相談コーナーを作ったり、ハンドマッサージが得意なスタッフはそれを行ったりというように、計画的にやれたらいいねと話をしています。皆資格を取ってくるのですが、その経験がなかなか発揮できないことがあります。そこで、普段の業務で追われては大変なので、患者さんと話をしながらすきま時間を工夫して行えたらと考えています。そうやって実際に学んだことを患者さんに還元することで、看護師にとってやりがいに感じてくれないかなと思っています。せっかくいい技や知識を持っているのであれば、発揮できる場を作れるようにと考えています。

自身のこととして、私は専門学校出身なのですが、本当は大学に進学したかったのです。そして、30代で子育てをしている時に大学に行きたいと言ったら、皆から猛反対されました。そこで、個人のキャリアプランとしては、今後看護師としての仕事を一旦終えたら、学びたいと考えています。大学に行き、その後に看護系の仕事をするのか何をするかまだ分かりませんが、世の中のことを学びたいです。

学生へのアドバイス

皆さん看護師を目指したきっかけには、人に対しての思いが何かあると思いますが、その思いは大切にしてほしいです。看護学校で理論を学ばれる中で、自身の看護観についても育成されていくと思うので、その看護観を忘れずに大切に持っていてほしいなと思います。 そうして努力していけば、自分も患者さんも幸せになれる、というところにたどり着くのではないかなと思います。

看護部長になる前について

最初から看護師になろうと決めていた訳ではないのですが、座ってオフィスワークをすることはまず無理だろうと考えていました。母が看護師をしていましたが、子育てはおばあちゃんに任せていて、私を育ててくれたのはおばあちゃんという感じでした(笑)。母はすごく勉強家で、勉強のために何ヶ月も東京へ行ったこともあり、なんて人なのだろうと思っていましたが(笑)、私たちを置いて行くほど看護師はそんなに魅力のある職業なのかな、そこまで頑張れる仕事ってどんなものなのかな、と思っていました。そういうところはちょっと影響があると思います。ちょっとのめりこみやすい性格は似ているのかもしれません(笑)。

昔の看護学校はすごく厳しくて、最初の頃は何故入ってしまったんだろうと思っていました(笑)。毎日ナイチンゲール誓詞を唱えなさいと言われたり、寮生活で門限も厳しかったり。私は門限破りばっかりしていましたが(笑)。学校生活で何人辞めるかという感じでしたね。
看護学校を卒業してから、ずっと当院に勤務しています。石川県外の出身なのですが、言葉の違いもあり、最初の1年はあまり馴染めない感じがしました。その頃は看護師の募集も少なかったので、同世代の看護師もおらず、話し相手は20歳くらい年の離れた看護師さんたちでした。皆さんすごく優しく教えてくださいました。たまに厳しい方もいらっしゃいましたが、最後には慰めてくれました。その方たちには感謝していて、いなかったら辞めていたかもしれません。人に助けられてきたなぁ、というところがあります。その頃の師長さんとは今でもお会いするのですが、つい最近まで現役で働いていらっしゃいました。

当院ではいくつかの診療科目を経験しましたが、部長に忘れられている存在なのか、5・6年経ってもなかなか異動させてもらえないことがありました。そんな時は部長のところへ押しかけていき、「そろそろ異動させていただけませんか。新しいことを学びたいのです。」と伝えました。そういう風に部長室に行ったことは、2・3回はあるかもしれません(笑)。

好きな言葉・座右の銘

何もないですが(笑)、「ピンチはチャンス」みたいな感じですかね。また、先日小松市の市長さんとお話しさせていただいた時に、「ピンチはチャンスじゃないよ。チャンスはチャンスだよ。」と言われました。色んなことが起こっても、ちゃんと受け入れて前向きにやっていくしかない、ということかなと思いました。物事をピンチだと考えるのではなく、与えられたチャンスだと受け入れて、やっていけばいいのだな、と。最初は「チャンスはチャンス!?どういうことだろう…」と思いましたが、流石ですね(笑)。

休日について

スポーツジムに行くことが私のストレス解消法になっています。スクールみたいな所に入ってしまうと、行けなかった時にストレスに感じてしまうので、ジムでは自分で筋トレをしたり走ったりしています。週1回から多くて3回くらいでしょうか。時間は短いのですよ。20、30分でもういいわ、という日もあります。そこでジムに来ている人たちと話をしてリフレッシュしています。仕事から離れて、お風呂で横の人と気軽に話をしたり、世の中の情報を聞いたりすると、楽しいですね。
あとはドラマなど、録画したものを集中的に見ています。ドラマを見ていて、良いことを言っているなと思った時は、その言葉を書き留めて皆に伝えています。録ったものが溜まっているので、放送から大分遅れて見ています。自分のところの録画だけじゃ収まらず、友人も録画してくれているので、見なくてはいけないという感じで(笑)、倍速で見ながら、いい言葉を控えています。

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